新たに開幕した21世紀。 この新時代を生きる我々だが、20世紀に語られていたように、ビックリするほど日常生活が変わったというわけではない。 日々の暮らしは、小さな困難と苦労の積み重ねである。 そしてときどき小さな喜びがあり、時に大きな歓喜が訪れる。 この歓喜を明日への糧とし、また力を蓄え、次の世代に受け継いでいく。 しかしながら、400年という歴史を振り返ったときに、時代の移り変わり、という意味では大きな変遷がある。 今、私たちの身の回りには、テレビがあふれ、ひとりひとりが携帯電話を持ち、 飛脚が何日もかけて運んでいた手紙は、現代ではメールというパソコンの機能を通じて、一瞬にして世界中に届けられる。 電車、飛行機、映画など、文明の発達の例は枚挙に暇がない。 そんな中、人々の心を動かすものとして、 400年間変わらずに語り継がれて来ているのが音楽であり、中でも「歌」の存在である。 そして、私たちが日常活動としている「合唱」は、人が集まり、 協力して行える最も身近な活動として、現在も様々なサークルが存在し、生涯活動としても広く一般的となっている。 そして現代を生きる私たちにとっての音楽は、ドレミファソラシドを基本とした西洋音楽を基礎としている。 実はこの点でも、先達の発明や発見などにより、豊かな生活を享受できているのである。 そこで、日本の400年の歴史をポイントごとに振り返りつつ、 その当時から合唱が発展していたヨーロッパを中心とした西洋音楽の歴史を並行して演奏し、 現在の私たちが、私たちだけで生きているわけではなく、 過去の様々な人々の努力の末に成り立っていることを未来の人々へ伝える演奏会を開催するものである。 |